さくたろ雑記

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【レビュー】鬼武者リマスター

鬼武者が忘れていた「アクション」を教えてくれた

 

鬼武者の印象

筆者はオリジナルを当時少しだけプレイした程度で、「有名なゲーム」というイメージを持っていた。

また、かの有名な「空前絶後のバッサリ感」というキャッチコピーも知っていた。

 

最初は慣れない

「バッサリ感」は確かにある。敵を斬りつけたときのSEはとても気持ちよく、「早く斬りたい!」と思わせてくれる。「あぁこれがバッサリ感か」と思った。

が、しかし、このゲームのアクションの核はそこではないと感じた。

確かに、掴みというか、アクションへの入り口としてバッサリ感は確かにあるが、プレイしていくに連れて、やけに難しく感じる場面があった。

ここで鍵になるのが「一閃」だ。

敵の攻撃の直前に斬りつけることにより一撃必殺の強力な攻撃を放つというもので、一閃の会得の有無はこのゲームの難易度を大きく左右する。

敵の攻撃のタイミングを見極め、攻撃を食らうリスクを感じつつ一閃を狙って攻撃をする「バッサリ感」こそが核なのだ。

これを覚えると一気にアクションが楽しくなり、自分で会得した、自分だけのアクションを繰り出すことができるようになる。

 

一つのマップ

PS2のゲームだけあって、マップ全体自体はさほど広くない。

一つの城を舞台に、物語が展開されていく。

もちろん同じ場所を通ることが何度もあり、最初は恐る恐る進んでいた道も、やがて自分のものになっていく、手に馴染んでいく感覚は、マップへの感じ方を変化させていく。

私はクリア目前か、というところでようやくマップの全容を把握することができて、自分の庭になったようでなんだか嬉しかった。

 

音楽

このゲームのサントラはプレミアがつくほど素晴らしい....

が、プレミアになっているのはもう一つ理由があって、ゴーストライター騒動で有名な佐村河内守氏が関わっている。

エンドクレジットにもしっかりと記載がある。

未だに再販等は行われてないのが惜しいが、このリマスターの限定版「幻魔封印箱」には23曲を選出したCDが同梱されている。(オリジナルのサントラは40曲超なので半分以下に削られてはいるが。)

大河ドラマを思わせるような荘厳な和の音色は、日本の音を象徴する尺八や琴等が使われ、必聴と言っても過言ではない。

筆者はあまりにも心を打たれたため、ソフト単体で購入したが限定版「幻魔封印箱」を買い直してしまった。

 

リマスターとして

今作はリメイクではなくリマスターなわけで、贅沢は言えないが、ムービースキップくらいは実装しといて欲しかった。(2以降はオリジナル版からスキップ機能が実装されている。)

決して簡単なゲームではないので、何度かボスに挑むというシーンも出てくる。

更にボス戦で倒されてもチェックポイント等はなく「終」という無常な文字の後にタイトル画面に戻されるだけで、セーブポイントから再開する必要することになる。

そんなときにボス戦の前の分単位のムービーを何度も見るのは苦痛以外の何でもない。

また、トロフィーには対応してくれている。オリジナルをやりこんだ方なら簡単にトロコンできるだろう。

 

棒読み

まぁ、知ってる人は知っていると思うが、このゲームの主人公「左馬之助」(さまのすけ)は、俳優の金城武氏がキャプチャーされ、声も務めている。

まぁ、それがすごい棒読みっていうだけ。

なんか、だんだん癖になってくるよね。

ただ、前述のようにボス戦前のムービーで何度も聞いているとだんだん腹が立ってくる。

 

アクションとは

アクションゲームの面白さってなんだろうっていう問題を考えさせてくれる。

確かに、簡単な操作で気持ちの良いアクションが繰り出されるのも楽しい。しかしながら、最初は全然上手く立ち回れず、見てくれの悪いアクションをしていても、だんだんと上達していき、最後はその自分の技でボスを倒す。確かに、主人公はステータスとしてレベルが上がるかもしれないが、数値にならない「技」と「知識」を得て、プレイヤー自身がレベルアップしていることを忘れてはいけない。

これこそがアクションの醍醐味なのではないだろうか。

むしろ、こうでなきゃアクションの意味がない。

楽器だってスポーツだって、最初から上手くできる人なんていない。各々のペースで成長していって、自分だけの技を身につけるのだ。

そんなことを再確認させてくれたゲームだった。